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2015年1月 9日 (金)

石川啄木伝 東京編 322

 妻の家出の原因にふれた部分にはこうある。
  妻の家出の第一の原因は、私の老母との間柄に存するものゝ如く候。それについては私は時代の相違てふことの如何に悲しきかを感じ居候。然しそれも母も毎日泣いてゐるうちに早く帰つてさへ呉れゝば、雨ふつて地堅まるの結果に立至るべきを確信いたし居候。
 啄木はずいぶん母を責めたらしい(後述)。母は「毎日泣いてゐる」というが、嫁に悪かったと泣いているのではない。最愛の息子にあまりに厳しく叱責されるからである(後述)。
 新しい啄木は「百回通信」を書き送りつづけた。欠勤もしなかったようだ(当たり前だが)。
 東京朝日新聞連載の漱石の「それから」は10月14日に終わった。この日の前後に啄木は「それから」に関する無題の評論断片を書いている。
   私は漱石氏の『それから』を毎日社にゐて校正しながら、同じ人の他の作を読んだ時よりも、もつと熱心にあの作に取扱はれての成行に注意するやうな経験を持つてゐた。……

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