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2015年1月12日 (月)

石川啄木伝 東京編 324

 10月18日執筆の「百回通信」(十一)に注目すべき考え方が現れる。
  大した失策なき限り、国民は黙つて彼等(桂首相や政友会-引用者)に世帯の〆括りを任せて置いて然るべく、而して人々唯々一意自己の生活の改善を計るべく候。
 政治は政治家に任せておいて人々はまず「自己の生活の改善」をはかるべきだ、と。妻の帰りをまって生活改善に取り組む啄木の姿そのものである。「国民生活」は度外に置かれている。
 10月23日、日比谷の松本楼で「パンの会」の大会が催された。啄木はこの会の創立期の会員のひとりであり、かれがローマ字日記を書きはじめた時期の4月10日には永代亭で初の大会が開かれ、大いに盛り上がったことはすでに見た。(啄木はそのころローマ字日記の中にもっとも衝撃的な告白を記していたのであった。)松本楼での秋の大会はいっそう盛り上がった。啄木と白秋・杢太郎らの歩む道はますます隔たりつつある。

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