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2015年4月17日 (金)

石川啄木伝 東京編 329

 暗殺者を擁護する啄木の論理はこうなるであろう。
 伊藤は日本帝国の利益の代表者として韓国の植民地化を推進した。日本人の側の目から見る限り、その伊藤は韓国においても大政治家としての生涯の一ページを記したのである。しかし亡ぼされつつある韓国の人々には正反対の言い分がある。インドやポーランドという亡国の民の場合と全く同じに。この国を亡ぼそうとする国(日本)を、人間(代表が伊藤)を、かれらは絶対に許さない。啄木はこの立場を認める。韓国の側に立てばさらに、その言い分を実行する権利がある、実行の中には要人暗殺もふくむありとあらゆる闘争形態がありうる、ということになる。
 啄木はこうした立場を認めるからこそ、「其損害は意外に大なりと雛ども、吾人は韓人の愍(あはれ)むべきを知りて(韓人が気の毒だとは思っても―近藤訳)、未だ真に憎むべき所以(ゆゑん)を知らず。」と書いたのである。

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