« 石川啄木伝 東京編 369 | トップページ

2015年6月10日 (水)

石川啄木伝 東京編 370 (掲載終了のご挨拶)

 「一年間の回顧」とこの「巻煙草」とを合わせて載せた「スバル」新年号の「消息欄」に事実上の編集者江南文三(名義上の編輯兼発行人は石川一)はこう記す。
   肥たごくさいと言へば、石川君の評論も少し臭い様だなと言ひかけてこの通り口に手を当てて居る。此通り。(二十三日文三記)

 「巻煙草」の末尾に啄木は「十二月二十三日夜」と記しているから、この原稿が編集部に届いたのは24日中のことであろう。江南が「二十三日文三記」と書いた時点ではかれは「巻煙草」の原稿はまだ見ていないことになる。そうだとすれば、江南のメモは「一年間の回顧」に向けたものということになる。しかし「巻煙草」の原稿を見た文三がいっそうその感を強めたであろうことはまちがいない。
 12月28日金田一京助、林義人の五女静江と結婚。金田一によるとこの結婚は(蓋平館時代の)「気まぐれな石川君の無聊の産物の一つ」だった 。

 かくて波瀾万丈多事多端の1909年(明42)は暮れ、床屋の2階6畳2間に一家5人が揃って新年を迎える。

                   2013年3月28日10:54脱稿

 執筆中の「石川啄木伝」のブログ掲載を、この回をもって終了致します。1910年(明治43)4月11日まで書いてありますが(合計約82万字)、これから啄木の死までの2年分を書き継ぐことに集中するためです。
 2013年6月から2015年3月まで「石川啄木伝」執筆を中断し、その2年間を『最後の剣聖 羽賀凖一』の執筆・刊行に費やしました。そしてこの3月同時代社より本書を出版しました。この本には啄木研究30年間の経験を活用したつもりです。ご興味を持って下さった方はHP「同時代社」を覗いてみてください。
 いよいよ今月から「石川啄木伝」の執筆にもどります。わたくしはすでに満76歳6ヶ月。惚けないで擱筆できるのか、一抹の不安を抱きながらの再出航です。擱筆は順調にいって2年後だと思います。その時は、78歳6ヶ月、ほんとうに書き上げられるのか。このブログをいつも訪問してくださった、約40
(?)人のみなさん、笑わずにお見守り下さい。長い間のご訪問ありがとうございました。 
 無事書き上げて『石川啄木伝』出版を寿いでいたただける日を夢見つつ、ご報告と御礼まで。

 なお「石川啄木伝」擱筆までの間、執筆中に思ったことなどをこのブログでぽつりぽつり述べてみようかな、と思っております。たまに覗いてみてください。

 可笑しな追伸
 6月8日午後2時半頃、筋トレジムに向かう途中、車道と歩道の境目の極小段差に自転車の前輪が滑り、左に激しく転倒。左肩と側頭部を打たないように全力で右に体をひねりました。あまり激しく捻ったので転倒と同時に右側5番目の肋骨を折りました。右手もケガして今(9日夕方)もぶし色に腫れています。でもこのブログを入力できるまでに痛みは薄らぎました。惚ける前に身体が壊れるかも知れないと、失笑しております。呵呵

 

 

« 石川啄木伝 東京編 369 | トップページ

文化・芸術」カテゴリの記事

コメント

近藤先生。はじめてメールをお送りさせていただきました。私は、智恵子抄をシャンソンとして曲に乗せて歌っている者です。与謝野晶子さんの山陰吟行の歌にメロディーをつけて歌うお仕事をいただき、石川啄木のことをすこしづつ知り始めています。大学(桐朋学園芸術短期大学)の図書館で先生のご本にであい、感動しております。初恋はもちろん昔から歌わせていただいていて シャンソン歌手としてもとてもみなさんに人気があります。一握の砂をもう一度読み直してこのブログに出逢いました。
与謝野晶子さんが兄弟の様に接してらしたし
光太郎さんともお芝居をしたなども聞いた事があり、もし先生が講演をなさる時などお伺いできたら〜とおもいました。どうぞよろしくおねがいいたします!!

モンデンモモ様 メールをとてもうれしく拝読しました。北海道に用事があって、旅行などし、ご返事が遅くなりました。光太郎の詩や晶子の歌をうたう。佳いお仕事をしていらっしゃいます。小著をお読みいただいた由ありがとうございます。下記住所におはがきでもいただけるなら、手許にある小論幾編かなどお送りします。ご連絡下さい。
252-0325 相模原市南区新磯野3-29-12
                 近藤典彦
 

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/533861/61677917

この記事へのトラックバック一覧です: 石川啄木伝 東京編 370 (掲載終了のご挨拶):

« 石川啄木伝 東京編 369 | トップページ