« 石川啄木伝東京編1910年(明治43)その174 | トップページ | 石川啄木伝東京編1910年(明治43)その176 »

2020年7月12日 (日)

石川啄木伝東京編1910年(明治43)その175

 これらすべてが東雲堂側に完全に整ったのは11月20目す
ぎではなかろうか。
 11月29日の加藤孫平あての手紙で「『一握の砂』は二三日
中に出来る筈に候……」と書いているので『一握の砂』は
奥付とさほどずれずに出版されたと考えられる。奥付には
  明治四十三年十一月廿八日印刷
  明治四十三年十二月一日発行
とある。
 ここで再校ゲラでの推敲を考察するために「その校正と
共に順序送るべく候」という文言にもどる。「順序送るべ
き本文(551首分)のゲラには再校であるにもかかわら
ず随分時間をかけているようである。啄木はきわめてすぐ
れた校正のプロであるから、単なる再校であれば1日あれ
ば十分であろう。それなのにゲラを受け取って5日くらい
もたっているのにまだ「順序送るべく候」といっている。
これは再校段階でも歌の推敲をおこなっていることを示唆
している。それなら初校段階でも当然推敲をしていたとい
うことであろう。ここに『一握の砂』の成立にとって注目すべ
き、11月に入ってからの推敲というテーマが姿を現す。

 

« 石川啄木伝東京編1910年(明治43)その174 | トップページ | 石川啄木伝東京編1910年(明治43)その176 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 石川啄木伝東京編1910年(明治43)その174 | トップページ | 石川啄木伝東京編1910年(明治43)その176 »

無料ブログはココログ

最近のトラックバック