« 石川啄木伝東京編1910年(明治43)その197 | トップページ | 石川啄木伝東京編1910年(明治43)その199 »

2020年8月 8日 (土)

石川啄木伝東京編1910年(明治43)その198

 髙叔玲(前掲)によると、三行書きによって啄木が生み
出した形式は基本的には6つ(五七/五七/七、五七五/
七/七等々)、そのうちの4形式では行末の七音を三音
と四音に分解し、次行に三音または四音を送ることでさら
に8形式を生み出した(たとえば五七五/四/三七など)。   
 後者の一例。
  真白なる大根の根の肥ゆる頃
  うまれて
  やがて死にし児のあり
 大室の研究(前掲)によると、『一握の砂』全551首
中字余りを含む歌は219首。実に約40%の高率である。
(そのうち33首は定型であった歌を『一握の砂』に三行歌
として編集するにあたり字余り歌へと推敲したのである。)
この219首を調べるといっそう多くの形式が派生してく
るであろう。が、未調査である。
 さて、吉田精一(前掲)はかつて竹内敏雄の説を引いて
こう言う。「短歌のリズムは、明確なセジュールによつて
区分されて断続しつつ進行するのではなく、むしろ不断に
うねりをうつて流動するやうな趣きを呈する」と。
 竹内・吉田説に従うなら、『一握の砂』の三行歌はもは
や短歌ではなく三行詩と言うことになるであろう。

« 石川啄木伝東京編1910年(明治43)その197 | トップページ | 石川啄木伝東京編1910年(明治43)その199 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

« 石川啄木伝東京編1910年(明治43)その197 | トップページ | 石川啄木伝東京編1910年(明治43)その199 »

無料ブログはココログ

最近のトラックバック